中日邀请言语行为比较研究
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劉丹丹先生は、日本語教育学が御専門で、山東師範大学を御卒業後、日本の大阪大学大学院言語文化研究科日本語·日本文化専攻において、優秀な成績で修士号、博士号を取得されました。今回その成果を出版なさると伺い、先生の大学院時代に指導教員の一人であった者として、心よりお祝い申し上げます。

外国語を学び、異国で暮らした経験のある方なら、言語·文化の異なる人々とのコミュニケーションにおいては、思いがけない誤解や摩擦が起きるという経験をなさったことがあるでしょう。例えば、勧誘という行動を例にとると、日本語教育の初級では、「一緒にいきませんか」「はい、いきましょう」というような、単純な文型の応答だけが指導されるのですが、劉丹丹先生も本書の冒頭で述べておられるように、「中国語を母語とする日本語学習者は、日本語母語話者が行くかどうかをはっきり言わず、あいまいだと感じ、逆に、日本語母語話者は学習者の勧誘に押しつけがましさを感じることもある。」というような事態が起こります。日本語母語話者は決して曖昧なのではなく、自分が行きたいかどうかを中国語と異なる方法で述べているのであり、また、中国語母語話者も強引なのではなく、相手に親しみを示し、誘いたいという気持ちを強く表しているのですが、その方法は日本語とは異なります。日常の誤解は、日中の言語行動の違いを互いに知らないために起きるのです。

今や世界は狭くなり、外国語を学ぶことは教養や知的訓練だけではなく、実際にその言語を学校や仕事で使いながら、異なる文化を持つ人々とともに生活することが増えています。このような言語教育に対する学習者のニーズに応えるためには、文法と語彙を中心とした教育から、言語行動そのものについての知見を含んだ、より幅広い教育が必要となります。このような時代の変化の中で、劉丹丹先生の御研究は日本語教育学のための貴重な基礎研究であり、時代の要請に応えるものとなっています。

この本が一人でも多くの人々に読まれ、先生の御研究がさらに発展することを遠く日本から祈念しております。

2016年9月27日

大阪大学大学院言語文化研究科日本語·日本文化専攻長

鈴木 睦